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あくまで冷静に「原爆」にまつわる事実と記録を書き記した絵本です。作者自身広島生まれで3歳の時に爆心地より3kmの自宅で被爆していますが、その事実を感じさせないぐらい感情を排した内容になっています。その理由は、これまでの「広島の原爆」に関する書物は個人的な体験に基づくものが多く、「原爆について知る」よりも「体験する」に重点がおかれたものが多かったからだそうです。そういった意味で、ここまで詳細かつ包括的に知ることのできるこの絵本は、大変存在意義が大きいといえます。この絵本は6年の歳月をかけて作られた力作で、原爆投下50年後の1995年に完成されました。
絵も斜め上空から広島を見下ろした感じで描かれ、あくまで一歩置いた冷静な眼を感じます。ただし、被爆した広島の様子には、証言などから得られた実際に原爆に苦しむ人々の様子が克明に描写されており、絵の一つ一つに恐ろしく悲しいストーリーを含んでいます。(絵本の最後に絵の一つ一つの部分についての解説が付いています。)
この絵本には、戦争の時代的背景や原爆の原理などすべてに渡って科学的に、地図、グラフ、年表や断面図などを駆使して解説されています。その文書と絵から成る情報量の膨大さには感服せざるを得ません。また、これらの客観的事実が、日本の利己的な侵略戦争やアメリカなどの核保有国の利己的な行動を赤裸々にします。今も多くの人がそうであるように、無知ではありたくないと願わずにはいられません。
広島の原爆をモチーフにした感動の名作絵本『まちんと』も是非読んでもらいたいです。
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