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不気味で怖いワニが、上機嫌にお風呂を楽しむ面白い絵本です。木版画の渋めの色使いで描かれた、リアルに怖いワニが主人公です。迫力満点のワニがお風呂場に入ってくる姿は、何か恐ろしい出来事が起こることを想像させます。ところが、主人公のワニは、ただお風呂が好きな、マイペースで無表情なワニでした。きちんと蛇口をひねって、お湯をためることもできます。ロボットやアヒルやカエルのおもちゃをお湯に浮かべ、おもいっきりお湯に飛び込みます。泡で遊んだり、シャワーをマイクにして歌ったりします。見た目は怖いのに、やっていることは人間の子供たちと同じです。ワニが登場したシーンの緊張感と、その後の行動や仕草とのギャップが、大きな「おかしさ」を生み出しています。子供たちの固定観念を崩して、自由な発想力を生みだすのに役立ちそうな絵本です。
出版社の福音館書店のホームページに、この絵本作成の経緯として、「作者の小風さんは、ある日テレビで”伊豆のバナナワニ園でワニの引っ越しがありました”というニュースを見聞きし、数日後、早速バナナワニ園へ。そこで間近に見たワニにいたく感動し、この『わにわにのおふろ』が生まれました。」と書かれています。山口マオさんによるシュールなワニのイラストがどうやって選ばれ、このような絶妙のマッチングが生まれたのか、その経緯も気になるところです。月刊絵本「こどものとも年少版」で発表され、読者の大きな反響によって独立して絵本化されたそうですが、絵本としても無駄のない最高の仕上がりです。多彩な擬音を駆使したリズムのよい文章もとても魅力的です。
「わにわにのおふろ」シリーズ
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