花さき山  < 日本の作家 >  
絵本のデータ
『花さき山』 花さき山
著者(文章): 斎藤隆介 (Ryusuke Saito)
著者(絵): 滝平二郎 (Jiro Takidaira)
出版社: 岩崎書店 (1969/12/30)
ISBN: 4265908209
 
ページ数: 33ページ 縦: 246mm 横: 214mm
対象年齢: 5歳ぐらいから  文字数: 少ない
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おすすめ度: 
定価: ¥ 1,260
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  テーマ: 教訓、善行、しつけ絵本    主人公: 女の子
   感動度 中  知識学び度 低  笑い度 低  悲しさ度 低
   ユニーク度 低  しつけ度   わくわく度 低  いやし度 
   絵の精密さ 中  絵の美しさ   絵のかわいさ 中  デザイン性 
  ストーリー

十歳の女の子が、祭りのごちそうのために山菜を取りに出かけ、山の奥に迷い込んでしまいました。女の子はその山に住む山ンばに出会いますが、しっかりものなのでこわがりません。そんな女の子に山ンばは、山にどうしてこんなにきれいな花が咲いているのかの理由を教えます。これらの花は、人間がやさしいことを一つすると、そのやさしさに対して一つ咲いていたのでした。女の子の足元に咲いている花は、昨日、その女の子がさかせた花でした・・・。

  この絵本について

 「よいことをすると山に花が咲く」、民話の形を借りた物語で、子供達に善行を教える絵本です。「つらいのをしんぼうして、自分のことより人のことを思って、涙をいっぱいためてしんぼうすると、そのやさしさと、けなげさが、こうして、花になって咲き出すのだ・・・」と、山ンばは言います。また、自分の命を犠牲にするほどの大きな善行をすると、1つの山が生まれると言います。
 よいことをしても、我慢しても、ただつらいだけです。なぜ我慢しなくてはいけないのか、誰も教えてくれません。山ンばが言うには、よいことをすると、山に一つきれいな花が咲きます。でもそれだけで、それ以上のみかえりはまったくありません。それでも、この絵本を読むと、それがとてもすてきなことだと思わせてくれます。大人は誰も山ンばの話を本気にはしませんが、女の子は山ンばに出会ってから、つらいことがあっても「いま花さき山で、おらの花がさいているな」と思うことができるようになります。
 自己主張しないと生き残れないと信じられているこの時代には、犠牲や我慢をすすめるようなこの絵本は賛否両論なのかもしれません。考え方が古いと考える人もいるかもしれません。でも、著者はそのような時代の風潮を感じ取って、警鐘を鳴らしているようです。著者のあとがきには、「日本の人民は、自分たちをおさえつけていたものをとりのぞかれて、自分を一杯に生きる自由の喜びの中から戦後の歴史を始めました。一杯に自分のために生きたい命を、みんなのためにささげることこそが、自分を更に最高に生かすことだ、と信じてその道を歩きはじめた人々がおおぜい出てきました。花さき山は、そういう人々への賛歌です。」と書かれています。他人のことを考えず自由に生きようとする傾向は、残念ながらより強まっていますが、その傾向が強まるほどこの絵本の存在は重要になってくるのかもしれません。
 絵本のイラストは、白黒のコントラストがはっきりした木版画で描かれています。線が太く、昔話風の力強さを感じさせます。その中に、カラフルな色が添えられており、大変印象的で美しい色使いです。また、背景が真っ黒の夜のシーンと、背景が白の昼のシーンが、絵本全体に変化を生み出しており、豊かな視覚体験を受けることができます。

絵本 マッチング
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更新日: 2008年03月20日

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