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有名なイソップの寓話の中から21話が、1冊の現代風でチャーミングな絵本になっています。21話の中には、特に有名な「うさぎとかめ」「羊飼い息子と狼(狼少年)」「北風と太陽」「ガチョウと黄金の卵」なども含まれています。紀元前600年あたりのギリシャの寓話作家による作品のコレクションであるにも関わらず、いつ読んでも新鮮さは衰えません。教訓が詰まった巧みなストーリー展開と比喩の表現は、これらを超える作品の出現をいまだに許しません。数々の賞を受賞している児童文学作家のマイケル・モーパーゴによる文章は軽やかでウィットに富んでおり、声に出して読むとさらに物語の良さが伝わってきます。
お話の最後には、サマリーとして一言の格言が書かれています。例えば「THE TRAVELERS AND THE BEAR」のお話を取り上げてみます。2人の旅行者がクマに出くわしたので、若い方の旅行者が我先に木に登ったものの、年上の旅行者は逃げ遅れてしまいました。年上の旅行者はクマに襲われそうになりますが、死んだふりをして助かります。若い方の旅行者が助かった年上の旅行者に、「死んだふりをしている間、クマに匂いをかがれていた様子が、まるでクマに話しかけられているように見えた」と言うと、年上の旅行者は「そうだよ。クマはもっとましな友達を選んだほうが良いと言ってた。自分だけ助かって、あなたを見殺しにするような人は友達とは言えないと。」と言い返します。そのお話の最後に一言「FAIRWEATHER FRIENDS AREN'T WORTH HAVING.」(都合の良いときだけの友達は持つ価値が無い)と書かれています。
また、骨を得た犬が欲張って水に映った自分の骨まで取ろうとし、骨を水に落としてしまう「THE DOG AND HIS BONE」では、「ENOUGH IS AS GOOD AS A FEAST. DON'T BE GREEDY.」(ごちそうとは「ちょうど足りる量」のことである。欲張るものではない。)と最後の一言として書かれています。
イソップの寓話による教訓は現実的なものが多く、大人でさえ改めて納得するものが多いです。「自分が使っていない時には、他人に使わせてあげるように」とか、「みんなを喜ばせようとすると、誰も喜ばない結果になる」とか、普段忘れているマナーを皮肉を交えながら具体例を使って気づかせてくれます。
イラストはさわやかで親しみを感じさせる水彩画で描かれており、話の内容や雰囲気にマッチしているものばかりです。フォントも大きくて読みやすく、お話も数ページにわたるものから2ページで終わるものまでと、ほとんどは平均4ページぐらいの短い物語ばかりなのでとても読みやすいです。全部で100ページ近くありますが、一度読み出すとすぐにとりこになってしまい、次から次へと読み進めてしまいます。紙の厚さも厚くてちょうど良く、すべての点において満足のいく絵本です。
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