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1938年に初めて出版されて以来、60年以上経った今も人気の衰えない名作絵本です。最初のページをめくると、口ひげをたくわえてきっちりと黒いスーツを着こなす紳士が、頭の上にカラフルな16個のぼうしを乗せています。思わず見てしまうような宣伝効果の高い姿ですが、残念ながらその日はぼうしが売れません。しかたなく休むことにし、木にもたれかかって昼寝しました。でも起きると大変なことに、ぼうしが全部なくなっていました。自分のチェックのぼうし以外は・・・。びっくりしてあたりを見回しても見つかりません。そのとき木の上を見ると、ぼうしをかぶった16匹の無邪気なお猿たちがいたのです。ぼうし売りが両手をあげてどなっても、足をどんどん踏みならしても、お猿たちは「Tsz, tsz, tsz(ツー、ツー、ツー)」と言いながら真似をするばかりです。そこで怒ったぼうし売りは、自分のチェックのぼうしを地面にたたきつけました。するとお猿たちも次から次へとぼうしを木の上から投げ落としました。
このように、お話はとっても楽しくて起承転結の整った、まるで絵本のお手本のような作品です。お猿たちが投げ落とした帽子を丁寧にひろって、また頭の上にきれいに積んで出発するぼうし売りの後ろ姿は、後ろ向きになっている以外は最初のページと同じシーンが描かれています。それによって、絵本の全体の統一感と完成度の高さをより感じさせます。また、ぼうしを数えることを楽しんだり、カラフルなぼうしで色を楽しんだり、おさるのようにまねっこを楽しんだりと、非常に豊かな内容になっています。
著者のスロボドキーナは、絵本の母といわれるマーガレット・ワイズ・ブラウンとの出会いが原因で絵本に携わるようになり、ずっと尊敬し続け強い影響を受けてきたそうです。スロボドキーナはこの『Caps for Sale』で、1958年にルイス・キャロル・シェルフ・アワードを受けています。また、この絵本の英語版の副題は、「A Tale of a Peddler, Some Monkeys and Their Monkey Business」とありますが、「Monkey Business」は「いたずら」の意味があり、タイトルからしゃれのきいた作品です。
ペーパーバック版 → 『Caps for Sale』
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