シナの五にんきょうだい  < 西洋の作家 >  
絵本のデータ
『シナの五にんきょうだい』 シナの五にんきょうだい
(Five Chinese Brothers)
著者(文章): クレール・H・ビショップ (Claire Huchet Bishop)
著者(絵): クルト・ヴィーゼ (Kurt Wiese)
翻訳者: 川本三郎 (Saburo Kawamoto)
出版社: 瑞雲舎 (1995/10/26)
ISBN: 4916016068
 
ページ数: 48ページ 縦: 188mm 横: 260mm
対象年齢: 5歳ぐらいから  文字数: ふつう
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おすすめ度: 
定価: ¥ 1,325
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  テーマ: 兄弟、姉妹の絵本    主人公: 男の人
   感動度 低  知識学び度 低  笑い度 中  悲しさ度 低
   ユニーク度   しつけ度 中  わくわく度   いやし度 低
   絵の精密さ 低  絵の美しさ 低  絵のかわいさ 中  デザイン性 低
  ストーリー

一番目の兄さんは海の水を飲みほすことができ、二番目の兄さんは鉄のように固い首をしており、三番目の兄さんはどこまでも足をのばすことができ、四番目の兄さんは火をつけられても燃えない体で、五番目の末っ子はいつまでも息をとめておくことができました。ある日一番目のお兄さんがお魚とりに出かけた時、一緒についてきた男の子が言いつけを守らず、海に流れてしまいました。責任を問われたお兄さんは、処刑されることになったのですが・・・。

  この絵本について

 1938年に出版された、中国が舞台の楽しい絵本です。中国の民話的なお話で、5人のそっくりな兄弟達が助け合って一番上の兄を死刑から救います。5人がそれぞれ超人的な技を持っており、その技で人々をびっくりさせる様子が痛快です。それぞれの技はすべて体に関する特徴で、小さい子供でもすぐに想像力を働かせることができます。
 舞台は服装や髪型から推測して昔の時代の中国を設定していると思われるので、何かエキゾチックな別世界を感じさせます。現実から離れた舞台だけに、このおおげさな非現実的な物語を子供達は安心して楽しめます。不注意な子供が海に流されて死んでしまうところや、一番上の兄がすぐに死刑になってしまうところ、そして兄を救うための5人の活躍ぶりと、随所にインパクトのある、子供たちを飽きさせるない展開が続きます。特に、絵本後半で5人の兄弟達がそれぞれ活躍する場面に入ると、一気にリズムよく物語が加速していく感覚を感じます。5回とも始まりのフレーズは同じだけど、活躍の仕方がそれぞれ個性的に異なっているところが、5倍の満足感を味あわせてくれます。
 この絵本は、中国人に対する固定観念を象徴しており、差別的だという意見が多い作品です。日本語版の出版社である瑞雲舎によると、「偏見に基づいたステレオ・タイプで描かれており、人種差別を助長する」との批判があることを、絵本末尾の解説で認めています。また、日本語のタイトルに使われている、「シナ(支那)」という言葉についても、決っして差別的な意味で使用したのではく、元々はフランス語のChineから派生しており、美しい「中国の呼称」として再生して欲しいという願いが込められているとしています。「シナ」という言葉は、日本が中国を侵略したときに、政府がことさら政治的な意味を込めて使用したので、蔑称的な性格が強められたそうです。
 著者のクルト・ヴィーゼ(絵)も長年中国で輸出行に携わっていたこともありますし、ただ子供達に中国のお話の面白さを味わってほしいという純粋な気持ちだけで作られたことに間違いはありません。結果的に差別を助長しているとしても、あくまで差別する人々や社会の方に問題があるのはあきらかです。

絵本 マッチング
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更新日: 2006年04月17日

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