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1931年にババールシリーズの生みの親、ジャン・ド・ブリュノフによって発表されたシリーズ第一作目です。4歳と5歳の息子のために妻のセシルが話した子象のお話に、画家だったジャンがイラストを描き絵本として完成させました。ジャンはババールシリーズを6冊発表するものの、1937年に38歳の若さにて結核で亡くなります。しかし、シリーズは長男のロランが引き継ぎ現在まで続いています。親子2代によって同じキャラクターのシリーズが描かれることは、大変めずらしいことです。
やはり第一作目だけあって、かなりディテイルまで描きこまれた48ページもの力作です。ババールの起源を知ることが出来ます。ハンターに母親を殺され森から抜け出したババールは、人間の町でやさしいお金持ちのおばあさんに助けられ、森に帰って来たときには王様として迎えられるという話です。悲しみから立ち直り、成長して元の場所に帰ってくるという、絵本の鏡のようなハッピーエンディングのストーリーです。ババールが町でショッピングしたり、写真を撮ったり、おいしいお食事をして、車を乗り回すという、当時ではうらやましいようなブルジョア的な待遇を受ける様子が、かわいらしいイラストで無邪気に描かれています。フランスの絵本らしく、動物と人間が何の違和感も無く生活している様子や、ストレスは感じさせずにセンスとテンポの良い展開が繰り広げられるところが魅力的です。
ただ、内容には時代的な制約からか、マイナスの批評を受けることもあります。フランスのアフリカなどへの植民地支配に対する態度を、顕著に暗示する内容が描かれていると言われるのです。ババールは原始的な森からやってきて、通りや車やバスを見て感動し、洋服で立派な格好をした紳士にあこがれます。しっかりした教育も受け、文明のない森に帰ると英雄となって、国の王となるのです。すべての要素が植民地支配を正当化するような内容とマッチしてしまいます。ただ、それほどに深い意図は明らかに感じられず、時代的な考え方の(幸せの捉え方)制約に過ぎないと思います。そのため一つの童話として読むと、すんなりと楽しむことができるはずです。
→ 日本語版 『ぞうのババール―こどものころのおはなし』
→ ぞうのババール シリーズ(日本語書籍)
→ ぞうのババール シリーズ(洋書)
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