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日本童話の名作「ごんぎつね」に、『あのね、サンタの国ではね…』などで有名な画家 黒井健さんが幻想的で美しいイラストを描いた作品です。「ごんぎつね」の著者は1943年に29歳の若さで結核により亡くなった、愛知県半田町出身の新美南吉さんです。戦時中に死と隣りあわせで生きてきた著者ならではの、はかなく美しい物語です。
ひとりぼっちのごんは、村人達に関心を持ってもらいたいのか、いろんないたずらをして悩ませます。村人を良く観察し、いつもアピールするチャンスを狙っています。でも、ある日村人の兵十が川で捕らえたうなぎをいたずらで逃がした出来事が、ごんを自己反省させることになります。その十日後に兵十のお母さんが亡くなった事を知り、最後にうなぎを食べさせてやれなかったと後悔するのです。もしかしたら、十日後になくなるお母さんに、うなぎを食べる力は残っていなかったかもしれません。ごんは本当は心優しい狐なので、勝手にお母さんのためのうなぎだったに違いないと反省するのです。それから毎日、兵十のために栗やまつたけなどの貢物をそっと入り口に置きます。
ごんのおかげと知らず、兵十と百姓の加助は貢物は神がめぐんでくれているのだとの結論に達しました。それを聞いたごんは、「つまらない、俺にお礼を言わないで、神様にお礼をいうんじゃァ、引き合わないなあ」と思いました。でも、次の日も迷わず栗をもって兵十の家に行くのです。そして何も知らない兵十に撃たれてしまうのです。これでお話が終わってしまうなんて、なんて報われないのだろうと、とても悲しくなります。でも重要なのは、最後の最後に兵十はごんが栗を持っているのをみて、一瞬ですべてのことを理解したことです。ごんがこれまでやってくれたことと、ごんの気持ちを理解するのです。村人に関心を持ってもらいたくても、いたずらしたり影から観察するしかやり方を知らなかったごんが、長いすれ違いの末に、ようやく村人に理解された瞬間でした。
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