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中世の文化の中心地として栄え、美しく壮麗な歴史的建物の立ち並ぶプラハ。街全体が世界遺産に登録されており、「黄金の都」「建築博物館の街」などとも呼ばれています。東西南北のヨーロッパ文化の合流点として1200年にわたる苦難と繁栄の歴史が刻まれています。音楽などの文化とも関連の深い都市で、モーツァルトがオペラ「フィガロの結婚」で大成功を収め、ドヴォルザークやスメタナなどの作曲家のゆかりの地も多い、ウィーンと並ぶ音楽の都です。
そんなプラハの町の魅力を、中世の三つの有名な伝説と三つの鍵を掛け合わせて、幻想的に豪華に表現しつくした絵本です。絵本から本当に伝説の人物の霊が飛び出してきそうなほど、不気味でシュールな雰囲気に満ちています。中世のまじないをかけられた巻物のような存在感を出す、立派に装丁された絵本です。
人っ子一人いないプラハの街全体が迷路のようになっていたり、建物から人間の顔が浮き出たり、顔から体から全部本で出来た図書館員や、果物や野菜で出来た不気味な人間など・・・異様な雰囲気をかもし出しています。これらのイラストは中世マニエリスムを代表するジュゼッペ・アルチンボルドの絵画に霊感を得たものだと思われます。
三つの伝説というのは、カレル橋を建てた中世騎士「ブルンツヴィーク」の伝説、ユダヤ人を守るために作られた人造人間「ゴーレム」の伝説、そして1490年に天才天文学者「ハヌシュ」によって作られたプラハを象徴する天文時計の伝説です。三つの伝説の巻物と三つの鍵を手にして、主人公が少年時代の家に入ることができるまでを描きます。その主人公は、プラハで生まれ育った著者本人なのです。この絵本はニューヨークタイムズ・ブックレビュー年間最優秀絵本にも選ばれています。
ちなみに、ゴーレムの伝説に関しては、コールデコット賞を受賞した『Golem』がおすすめです。デイビッド・ウィスニーウスキーによるプラハの街とゴーレムの伝説の切り絵によるイラストが圧巻です。中世プラハの伝説の数々は、作家の高い創作意欲をかきたてるようです。
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