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グリム童話集にも含まれていることで有名な「ラプンツェル」のお話をすばらしい油絵で描きあげた、1998年度コールデコット賞受賞の作品です。著者のポール・ゼリンスキーは、イェール大学にてモーリス・センダックに学んだ、現代を代表する絵本作家です。
この「ラプンツェル」のお話はドイツのグリム童話集で最も有名ですが、それはフランスの童話を元にしており、さらにフランス版はイタリアのナポリで出版されたお話を元にしています。著者はこのお話がイタリア・ナポリの民間説話が起源であることを調べ、お話が三ヶ国に渡って出版されるうちに内容が変化していることに注目し、それぞれの中でも最もふさわしい内容を統合して再話しました。
そして、挿絵は均整のとれたイタリア・ルネサンス画がふさわしいと感じ、当時の絵画によく使用された洋服のひだの表現や各種の遠近法などを駆使して描いています。遠景の山が薄い青色で描かれているところ(空気遠近法)や、植物や木の葉の表現、建物や個々の備品にいたるまですべてがルネサンスの絵画を再現したような、大変な力作ぞろいです。もちろん本物のルネサンス時代の絵画に比べれば細部が見劣りしますが、絵本の中では最も贅沢な絵画であり、時間をたっぷりかけて研究に研究を重ねて描きこまれたイラストであるには違いありません。これだけの絵の数々を一冊の絵本のために、36ページのすべての見開き用に描かれていることが驚きです。
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