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この作品は1964年度コールデコット賞を受賞し、傑作として西洋絵本を代表する一冊とされています。絵と文書が互いに補い合って、子供の素直な気持ちと自由な想像の世界を展開させています。この絵本がすぐれている原因はいくつもあるのでしょうが、最も顕著な特徴は完成された構成だと思います。現実から空想の世界へ行ってまた現実に戻ってくるという、基本的な A→B→A の三部形式になっています。しかしただの三部形式ではなくて、現実と空想の対比がとても巧みです。例えば現実では余白もあってゆとりのある画面構成なのですが、空想の世界に入るにしたがって余白いっぱいにイラストが描かれ、迫力が増していくところなどです。その上、主人公の少年マックスの感情の移り変わりが、絵本に方向性を生み出しています。怒って、たくらんで、不安で、恐がって、楽しんで、さびしくて・・・。最後に「安心する」現実の世界に戻ってくるところが、三部形式を意味あるものにしています。
さらに特徴をあげるとすれば、一貫して子供の視点で描かれているところです。描かれる人物は少年マックスだけであとは動物か怪獣しか描かれず、自己中心的を特徴とする子供視点そのままで描かれています。そのため大人から子供への教育的メッセージの要素は薄いです。しかしながら、子供にとっては主人公マックスの感情に気持ちを合わせながら共感して読むことができ、現実世界の安心感へ自然と導かれるのです。
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